歯科金属アレルギーに注意!

歯科金属アレルギーに注意!

 

・銀歯などの歯の詰め物が原因?

  

あなたは虫歯を治療したことがありますか?

心当たりのある人の多くは、口の中に金属の詰め物が入っているかもしれません。いわゆる「銀歯」と呼ばれるアレです。

金属のアクセサリーをつけてかぶれてしまう人は、「自分は金属アレルギーじゃないか?」と自分で気づきやすく、アクセサリーをつけることを極力控えることでしょう。歯科治療においても金属はよく使われていますが、この歯科金属も例外なく金属アレルギーを引き起こすことがあります。

ところが、問題は歯科金属がアレルギーの原因になっていても自分では気づきにくいということにあります。自分で気づかなければ対処のしようがありません。筆者は歯科医師としての知見や経験を基に、歯や口周りの情報を「ムシバラボ」というサイトで発信していますが、その中でも強く訴えていることのひとつが、歯科金属アレルギーのこわさです。その特徴や症状、またその対処法について詳しくご説明していきます。

歯科金属アレルギーの特徴

歯科治療では、詰め物やかぶせ物以外にも根の治療後につける土台や、ブリッジ、入れ歯などありとあらゆるものに金属が使用されています。この歯科金属アレルギー患者が日本で年々増加しているという報告があります。

1 歯科金属がアレルギーの原因になっていても気づかれにくい

皮膚に身につける金属アレルギーと違うのは、「口の中だけでなく、金属の触れていない全身にも症状が出ることがある」というところです。そのため、症状の原因が歯科金属アレルギーと分からずに苦しんでいる人も少なくありません。

2 保険の金属は口の中で錆びやすい

保険で使われている金属は、高温多湿の口の中では錆びて唾液に溶け出してしまいやすいという欠点があります。その溶け出した金属イオンが体のタンパク質と結びついてアレルギー源となってしまいます。
 

3 長年入れていることで体内に蓄積される

口の中に入っている金属は何年、何十年と入りっぱなしになるため、溶け出した金属は体に蓄積され、それが過剰になることでアレルギー反応が起こるとされています。

4 2種類以上の金属が入っているとアレルギーになりやすい

口の中でよく使われる金属にはパラジウム、ニッケル、コバルト、銀などがあります。口の中に種類の違う金属が入っていると、微弱な電流である「ガルバニー電流」が発生し、アレルギーが起こりやすくなることがわかっています。

5 口の中に炎症があると金属アレルギーが起こりやすい

重度の歯周病や口内炎などの炎症状態が続いているお口の中では特に金属がイオン化しやすく、金属アレルギーを起こしやすいと言われています。


注意その体の不調、銀歯が原因かもしれない 

・虫歯治療でなぜ銀歯?

  
虫歯治療に一般的に使われている金属にも、金属アレルギーのリスクがあることを知っていましたか?
現在の保険治療による差し歯、ブリッジ、かぶせ物は金属を使用している場合が多いです。また、メタルボンドと呼ばれる自費治療にも土台に金属を使用しているため、アレルギーの方には金属フリーのものが推奨されています。
金属アレルギーの原因
金属アレルギーの原因 画像
歯科治療に使用した金属が長い間にお口の中に溶け出し、それが体に取り込まれてアレルギー反応を起こしてしまうことが原因です。
<金属アレルギーの原因となりやすい主な金属>
コバルト、スズ、パラジウム、インジウム、イリジウム、クロム、ニッケル、水銀
上記を含む主な歯科用金属



金銀パラジウム合金 保険治療で多く使用される金属です。前から4番目以降の保険の差し歯、かぶせ物は、この金属による銀歯となる場合が多いです。
ニッケルクロム合金 金銀パラジウム合金よりもアレルギーリスクが高いと言われており、最近では使用が限定されています。
アマルガム アマルガムに用いられる水銀は無機水銀で、有機水銀のような毒性はありませんが、アレルギーをおこしやすいと言われています。
銀合金 やわらかい金属なので、主に乳歯の治療や、神経を取った歯の土台などに使用されます。錆びやすく、溶出して歯茎を黒く変色させることがあります。銀自体はアレルギーの原因になりにくい素材ですが、合金に含まれるほかの金属がアレルギーを引き起こすことがあります。



金合金 /白金加金 金を主体とした合金で、錆びにくい金属です。保険治療で使用される金属に比べ、金属の溶け出しや、歯茎の変色のリスクが低いとされています。
※自費治療だと必ず金合金や白金加金が使われているというわけではありません。
  自費治療でも、保険治療と同じ金属が使われている場合もあります。
金属アレルギーの症状
金属アレルギーの症状 画像
もっとも多いのは、手や足の裏に水泡や膿をもった膿胞ができる症状。次いで、口の中の粘膜にわずかに隆起した白線ができる症状。さらに、口内炎や歯肉炎、衣服などに触れている皮膚が炎症を起こす接触性皮膚炎、発疹、などが代表的な症例です。

金属アレルギーについて

・体の不調の原因となることも!

 

口の中・周囲だけでなく全身にも出る

そして、歯科金属アレルギーの症状は口の中やその周囲に出る場合と、全身に出る場合の2つに大きく分けられます。

口の中・周囲に出る場合は、唾液に溶け出した金属イオンが口の中や周囲にアレルギー反応を起こします。次のような病気があります。

●口内炎・舌炎

口内炎が頻繁にできたり、舌に炎症を起こすことがあります。

●口唇炎・口角炎

唇の周りが赤くただれたり、口の両端(口角)が赤く炎症を起こして切れたりすることがあります。

●口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)

口の中の粘膜(特に頬っぺたの粘膜)に白い線状、レース状、網目状の模様が現れ、周囲が赤くただれます。触れるとピリピリ痛むことがありますが、無症状の場合もあります。

●味覚障害

アレルギー反応が舌の表面の味の受容体(味蕾)に起こると、味が分かりづらくなることがあります。

全身に出る場合は、体に取り込まれた金属イオンが体内のタンパク質と結合してアレルゲンとなり、汗として排出されるときにその皮膚の表面でアレルギー反応を起こします。重篤化すると鎮痛剤も効かないくらいの痛みを伴う状態になることもあります。

●掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは手のひら、足の裏に多数の膿疱ができる難治性の慢性炎症性疾患です。膿疱は数日で乾燥し、黄褐色となりぽろぽろと皮がめくれてきます。 爪にも膿疱が出来ることもあり、爪が分厚く変形したり、褐色に変色することもあります。掌蹠膿疱症は周りの人にうつることはありません。膿疱はウイルスや細菌によって起こるものではなく無菌性であるからです。また、家族で体質が似て発症することはありますが、遺伝することはないといわれています。

●アトピー性皮膚炎、湿疹

アトピー性皮膚炎、いわゆるアトピーは、花粉症などのアレルギー疾患とともに増加しています。アトピー性皮膚炎の原因としてダニやハウスダストなどが有名ですが、意外に知られていないのが歯科材料(特に金属)です。一般的な治療を行っても、改善が見られない場合は、歯科材料が影響している可能性があります。アトピー性皮膚炎の治療は、現在もなおステロイド外用剤を中心とした対症療法ですが、最も大切なのは原因を見つけ出し除去する事です。

●脱毛症

蓄積された金属が一定のアレルギー許容量を超えると、一気に髪の毛が抜けてしまうことがあることが分かってきています。銀歯による金属アレルギーから円形脱毛症を発症し、髪の毛がほとんど抜け落ちてしまったケースがあります。皮膚科で円形脱毛症と診断され、ステロイド剤による治療を行ないましたが、全く効果が出ず、別な医師による診断で、金属アレルギーであることが発覚し、お口の中の歯科金属を除去したところ、抜け毛が止まり完治に至ったというケースの報告があります。


注意その体の不調銀歯が原因かもしれない

・よい金属を使ってください

  

歯の治療にはなるべくよい金属を使いましょう

最近の研究によると、歯科治療で粗悪な金属を使用した場合、金属が腐食してムシ歯、歯の変色、歯の破折といったことが起こることがわかっています。
特に、歯髄(俗にいう歯の神経)を取った歯の場合、歯を補強してその上から冠をかぶせる必要があるわけですが、この補強材が長い年月の間に腐食し、歯に神経がないため痛みを感ずることもなく、自覚症状が出たときには 抜歯しなければいけないほど歯の病変(ムシ歯・破折など)が進んでいた、といったことが問題になっています。

治療を受けた本人にしてみれば、冠をかぶせたあともきちんと歯ブラシ等の手入れをしていたのにまたムシ歯になって再治療しなければいけない、といったことが起こるのには、治療用の金属の腐食が大きな原因の一つになっていたわけです。

これは、金属冠に限ったことではありません。
陶材焼付け冠(メタルボンド)、プラスチック前装冠などの白い歯でも 歯と直接接触しているところは金属ですし、歯の内部を補強しているのも金属ですから、当然 金属の腐食による歯の寿命の短縮といったことが起こりうるのです。

こういった粗悪な金属は、たとえば 北欧のスウェーデンなどでは、歯の治療に使用することを厳しく禁止していますが、残念ながらここ日本では健康保険での歯の治療に堂々と認められているのが現状です。

従って少しでもよい治療を受けるには自費治療でということになります。
患者さんにも色々と事情があるかとも存じますが、よい歯であってこそ健康、健康であってこそよい仕事ができ、趣味やスポーツ、勉強等にうちこめるものです。

#実際の患者さんの歯からはずれてきた冠の写真です。

上方の冠の部分は比較的光沢がありますが、下方に見える補強材(コア)の部分は、真っ黒に変色しています。

#歯の補強材(コア)を裏側から見た写真です。

真っ黒です。
使われている金属は銀合金で、健保での治療で日本全国広く使われています。
このように金属腐食が起きると金属イオンが溶け出して歯も黒くなり、変質し(しばしばあたかもむし歯のように軟らかくなります)また歯と金属の間にすきまができてそこからむし歯になり、冠がはずれるということが、歯科の現場で毎日のように起こっています。


これはいくら歯を磨いても予防できません。
あなたはそれでも健保で治しますか?

歯の治療にはよい金属を

・銀歯から白い歯へ



金属アレルギーの治療 画像
金属アレルギーの治療
金属アレルギーの治療は、アレルギー源となっている歯の金属を、お口の中からすべて取り除くことですが、アレルギー源の金属をすべて取り除いても、症状が治るまでには数ヶ月、人によってはそれ以上かかることがあります。
それぞれのお口の状態により異なりますが、金属が含まれる歯を、金属アレルギーの心配が無い素材に置き換えることも、治療の1つの選択肢となるでしょう。
画像提供: 東京医科歯科大学教授 歯学博士 三浦宏之先生

金属アレルギーについて
 

4.金属を使わない歯科治療

4-1.コンポジットレジン

保険診療でできるプラスチックの白い詰め物です。前歯の歯と歯の間や奥歯の小さい虫歯治療に使うことができます。以前は小さな虫歯でも金属を使って治療していましたが、コンポジットレジンの進化によりできるだけ金属を使わずに治療が出来るようになりました。詳しくは「一日で白く治せるコンポジットレジン/虫歯も欠けてしまった歯もその日のうちに元通り!」を参考にしてください。

4-2.硬質レジンジャケット冠

前歯や小臼歯に保険診療で出来る白いプラスチック製の被せ物です。金属を使わずに治療ができますが強度が弱く、変色しやすいため歯ぎしりが強い人や見た目が気になる方は注意が必要です。保険内では2年間やり直すことは出来ません。

4-3.レジンコア(プラスチックの土台)

歯の神経が無くなると割れないように土台で補強する必要があります。保険内でできる土台です。残っている歯が少ないと出来ない場合もあります。

4-4.ファイバーコア

レジンコアにグラスファイバーの芯を加えた土台です。強度が増し、歯が割れにくくなります。保険外診療となり15,000円程度です。

4-5.オールセラミック

images (40)金属を使わずにセラミックだけで治療する方法です。詰め物、被せもの、ブリッジなど現在はセラミック治療の開発が進みほとんどの治療がセラミックで行うことが出来るようになりました。保険外診療で30,000円~150,000円/1本程度で大きさによって異なります。詳しくは「オールセラミック/美と健康のために」を参考にしてください。

4-6.ノンクラスプデンチャー

部分入れ歯のフックに使う金属を使わない入れ歯です。見た目にもきれいで入れ歯が入ってる様には見えません。フックの部分が無いため使っていると緩くなることがあります。保険外診療で80,000円から250,000円程度です。詳しくは「部分入れ歯が必要な理由」を参考にしてください。



お口の金属は大丈夫?金属アレルギーを悪化させないための7つの対策



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