歯茎マッサージの誤解と正しい歯周病予防

歯茎マッサージの誤解と正しい歯周病予防

・歯茎マッサージの誤解

歯茎マッサージ、喫煙、抗生物質…歯周病にまつわる嘘や誤解

06月16日 07:00

歯茎マッサージ、喫煙、抗生物質…歯周病にまつわる嘘や誤解

歯周病にまつわる誤解を解く

(NEWSポストセブン)

 日本人の抜歯原因1位が「歯周病」だ。にもかかわらず、患者を惑わせる様々な“嘘”や“誤解”が蔓延し、検査や治療が必ずしも適切に行なわれていない実態がある──発売即重版の話題書『やってはいけない歯科治療』著者のジャーナリスト・岩澤倫彦氏が“歯周病治療の罠”を告発する。

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 歯科医が去年出版した著書にこう記されていた。

「歯周病は歯茎マッサージで治る!」

 その“効果”について、歯周病治療のリーダーとして歯科医たちを指導する弘岡秀明氏(スウェーデンデンタルセンター・院長)に聞いた。

「マッサージすると、歯肉が引き締まるので、歯周病の症状が改善したと“錯覚”してしまうのです。昔から、歯肉マッサージで歯周病は治ると主張する歯科医がいますが、原因の細菌を除去しなければ、歯周病は決して治りません」

 間違った情報に騙されないよう注意してもらいたい。


歯茎マッサージ、喫煙、抗生物質…歯周病にまつわる嘘や誤解

・歯垢除去+歯肉マッサージの組み合わせが重要

歯肉マッサージで健康的な歯ぐき美人に

「歯肉炎」で食い止めるケアが大事

かつては、虫歯が原因で歯を抜く人が多かったが、近年は歯周病が原因で歯を失う人の割合が増えている。また、歯周病は口臭の原因にもなるし、歯ぐきが減って見た目も悪くなる。

 自覚症状が得にくい病気だが、いつまでもきれいな歯と歯ぐきをキープするためには、歯周病になる前からケアしておきたい。そのためにはまず歯垢除去が大事だ。

 「歯垢と食べかすを混同している人もいますが、歯垢の正体は細菌の塊。歯垢1mgには、2億5000万個もの細菌が含まれています」と、神奈川歯科大学准教授の山本龍生先生は警告する。

 歯磨きが不十分だと、歯と歯ぐきの間に歯垢がたまる。そこに細菌が繁殖すると、歯肉に炎症が起こる。これが歯肉炎。さらに歯を支える歯槽骨(しそうこつ)や、クッションの役割を果たす歯根膜(しこんまく)を溶かす歯周炎に進む。そのまま何年も放置すると、やがて症状が進み、ものも噛めないほどの激痛に襲われ、泣く泣く歯を抜くことに。

 「でも、歯ぐきが赤く腫れる『歯肉炎』の段階で適切なケアをすれば、健康な状態に修復することも可能です」と山本先生は言う。

ブラッシングとマッサージの「あわせ技」が効果的

 では、歯肉炎を修復するためには、なにをすればいいのだろうか?

 「深刻な歯周病を防ぐ一番の方法はブラッシングです」と山本先生は言う。歯ブラシで丁寧にブラッシングをして、歯垢を物理的に除去することが何より大切なのだそう。

 「また、最近はブラッシングによる歯垢除去に加え、歯肉マッサージを行うことで、より高い予防効果が得られることがわかってきました。歯と歯槽骨(しそうこつ)の間にある歯肉をマッサージすることで血行が良くなり、歯ぐき全体が引き締まってくるのです」

 ここで見てほしいのが、下のグラフ。歯肉ブラッシングの頻度によって、歯肉を再生させる繊維芽細胞の細胞増殖活性がどう変わるのかを調べたものだ。


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 「歯垢除去+歯肉マッサージ」を1日2回、4週間毎日おこなった場合、「歯垢除去のみ」に比べて繊維芽細胞の細胞増殖活性は約1.6倍も高くなる。期間を延ばすとさらに効果はあがり、8週間後には、約1.8倍の効果が認められた。

 花王パーソナルヘルスケア研究所の実験報告でも同様の成績が出ている。7人の被験者を対象に「歯ブラシのみ」「歯ブラシ+歯ぐきマッサージ」を1日3回(2分間)行い、その前後で歯肉炎指数(GI)がどう変化するかを、4週間にわたり測定したところ「歯ブラシのみ」の歯肉炎改善率は28%、「歯ブラシ+歯ぐきマッサージ」の歯肉炎改善率は45%と大幅に差がついた。

 「歯肉は、じん帯やアキレス腱と同じ成分でできていますので、マッサージで刺激を与えることで、筋トレと同じような効果が出ていると考えられます」(山本先生)

歯肉マッサージは指でもOK

 では、具体的に歯肉マッサージはどのように行えばいいのだろうか。

 歯肉マッサージは、力任せにゴシゴシこすったり、長時間行えばいいわけではない。実験によると、1カ所につき200gの圧力で、約20秒行ったとき、最も効果があったという。「だいたい、えんぴつの文字を消しゴムで消すくらいの強さが目安です」と山本先生は説明する。

 花王から、歯の歯ぐきの境目にある歯間乳頭や辺縁歯肉だけでなく、その上にある付着歯肉にもブラシをあてることで、歯ぐきの血流促進効果が約1.3倍になるという研究報告も出ている。

 歯周病をより効果的に防ぐためには、歯ぐきの上のほうまでブラシをあて、少なくとも1日1回は歯肉をマッサージすることがおすすめだ。

 「歯ブラシでは、うまく力が入らない」という人は、指でもかまわないそう。ここで、花王が提唱する「効果的なマッサージ方法」を紹介しよう。おさえるべきポイントは次の3点。

1:
横方向&小刻みに

歯と歯ぐきの境目に指を軽く押しあて、小刻みに横に動かす。心地よいと感じる力加減で、1カ所につき10~15秒程度動かす。
2:
奥から手前へ

奥歯から前歯の中央に向かって、指をすべらせるように大きく動かす。3~5回繰り返す。
3:
下から上へ弧を描くように

奥歯から前歯の中央に向かって、下から上へ弧を描くように指を動かす。上の歯ぐきは、上から下に向かって動かす。

 歯肉マッサージは、お金もかからず、手軽にできる効果的な歯周病予防。5年、10年と年齢を重ねても美しい歯と歯ぐきを保つために、今日からさっそく始めてみませんか?


歯肉マッサージで健康的な歯ぐき美人に  日本人成人の8割がかかるといわれる「歯周病」。その主な原因が「歯垢(しこう)」であることは広く知られているが、初期段階では痛くもかゆくもなく、症状が進むまで見過ごされることが多い。

・歯茎ケアの習慣が健康な歯茎を保つ

歯ぐきケア

特に意識したいケア習慣「歯ぐきケア」

毎日のオーラルケアでは歯のケアだけでなく「歯肉/歯ぐきのケア」を特に意識しましょう。

30代では、約8割の人になんらかの歯周病の症状が認められています。たとえ今は自分ではわからないほどの状態でも、症状が進行すると、歯周病の原因菌によって、歯周ポケットがどんどん深くなります。

引き締まった歯ぐきを保つことが歯ぐきケアの目標です。


特に意識したいケア習慣「歯ぐきケア」

歯ぐきケアは、お肌のケアと同じ!
やさしくいたわり、健康な歯ぐき細胞を保つことが大切

では、歯ぐきケアとは、どんなことに気をつければよいのでしょうか。歯ぐきを健康に保つケアのポイントは、「きちんと殺菌し、汚れを落とすこと」、「生活習慣をととのえ、リスクファクターを減らすこと」、そして、「歯ぐきの細胞を正常に保つこと」

歯ぐきも肌と同じように細胞からできていますから、ちょうど肌のケアと同じように考えればよいのです。肌であれば、毎日鏡で見て、洗顔や化粧水、美容液などを使ってケアしているのではないでしょうか。お肌をいたわるのと同じように、歯ぐきも毎日の状態をよく見て、ケアを習慣化することが大切です。

歯ぐきの血行促進で
歯ぐき細胞の正常なターンオーバーを促す!

歯周病の原因菌はさまざまな毒素を産生し、歯ぐきの細胞に炎症を生じさせて、破壊を促します。また歯周病の原因菌が出す毒素は、歯ぐき細胞の正常な増殖を妨げてしまいます。歯ぐきの健康を保つには、歯周病の原因菌を殺菌し、取り除くことも大切ですが、歯ぐき細胞そのものを元気にしてあげることも重要。その方法のひとつとして「歯ぐきの血行促進」が挙げられます。

歯ぐきをマッサージすることで、血行が促進され、歯ぐき細胞の生まれ変わりに必要な酸素や栄養が行き届くようになります。また歯周病の原因菌が歯ぐきをむしばんでいることで、さまざまな老廃物が歯ぐき組織に溜まっていますが、これを洗い流す役割も期待できます。

歯ぐきマッサージで血行促進。
歯ぐき細胞を元気に!

歯ぐきマッサージで血行促進。歯ぐき細胞を元気に!


歯ぐきケア

・歯ブラシによる歯茎のマッサージ

歯と歯肉の境目(歯周病予防・改善に効果的なみがき方は)

歯と歯肉の境目に45度の角度に当て、細かく前後に動かしてみがきましょう。

歯と歯肉の境目に45度の角度に当て、細かく前後に動かしてみがきましょう。

歯ぐきのマッサージには(大人向け)

歯ブラシのわき腹を歯肉に押し当てて回転させながらマッサージする方法があります。

歯ブラシのわき腹を歯肉に押し当てて回転させながらマッサージする方法があります。

他にもいろいろな歯のみがき方があります。詳しくは歯科医院に相談しましょう。

歯ブラシの持ち方

歯ブラシの持ち方にはにぎって持つ持ち方(パームグリップ)と鉛筆を持つような持ち方(ペングリップ)があります。みがく場所によって持ちやすい持ち方でみがきましょう。
ただし、力が入りすぎてしまう方は、鉛筆を持つような持ち方で、毛先が広がらない程度の力加減でみがくようにしましょう。


歯ブラシでのみがき方基本

【西明石駅から徒歩1分のめばえ歯科クリニック】

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