2019/06/02
丈夫な歯を作る食生活
・丈夫な歯を作るのはバランスのよい食生活
丈夫な歯を作るには食生活でどのような事に注意すればよいですか?
丈夫な歯を作る食事の最大のポイントは“偏食をしない”ことです。カルシウムをたくさん摂ると丈夫な歯ができると考えがちですが、カルシウムを与えるほど歯が強くなるわけではありません。ただし、乳歯の下で永久歯がつくられている時期にカルシウムが不足すると、永久歯を弱くする原因になります。乳、乳製品、魚介類、野菜といったカルシウム源を、質の良いたんぱく質などといっしょにバランスのよい食生活の中で摂っていくことが大切です。永久歯がはえた後でいくらカルシウムをたくさんとっても歯を強くすることは出来ませんので、乳幼児期から気をつけましょう。
歯をつくるうえで欠かせない栄養素には次のようなものがあります。たんぱく質、ビタンミンA、ビタミンC、ビタミンD、カルシウム、リン、フッ素。これらの栄養素をバランスよく過不足の無いように摂ることを心がけましょう。
一般社団法人 熊本県歯科医師会
・歯によい栄養素とは?
歯に良い栄養ってあるの?
乳歯は、赤ちゃんがお母さんの体内にいる時にすでに作られています。
乳中切歯は妊娠1ヵ月半頃から作られ始めていますし、第二乳臼歯も妊娠2ヵ月半頃にはできてきます。
さらに永久歯でも、第一大臼歯は妊娠3ヶ月半でもう作られています。
歯の発育には、歯の有機物(土台)を形作るたんぱくや、歯の無機質を作るカルシウム・リン・フッ素などの他に、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンDなどの栄養素が必要ですが、現代の食生活では過度の栄養不足になることは考えにくいので、母子ともに極端な好き嫌いをせずバランスよく食事をとっていれば、自ずと健康な歯が作られるはずです。
歯が生える前に、これらの栄養素によって歯の質の基礎が作られ、歯が生えた後は、唾液中のカルシウム・リン・フッ素などがエナメル質の表面から溶け込んで、徐々に強く硬い歯になっていきます。
歯の質(結晶性)が十分硬くなるには、自然の状態で5~10年という長い時間が必要です。
カルシウムが歯に良いからと必要以上に一時に大量摂取しても、特別強い歯ができるわけではありません。 それよりもこの歯が生え始めてから硬く成熟するまでの期間に虫歯になってしまわないように、バランスの良い食事と適切な歯磨きを行うことのほうが重要なのです。
歯にとって不必要な栄養といえば,砂糖ぐらいのものかもしれません。
歯に良い栄養ってあるの?
・歯によい食べ物・飲み物
歯に良い食べ物
歯に良い食べ物を紹介します。
気をつけていただきたのは、紹介した食べ物を食べていれば、むし歯にならない、歯周病も安心ということではありません。食べた後は、シッカリと歯磨きをして汚れを落とす必要があります。基本はセルフケア。このことを忘れないでください。
1.歯を強くする食べ物
カルシウム、ビタミンA、ビタミンCを含む食品は歯を強くしてくれる食品です。
魚介類や海藻類、牛乳などの乳製品はカルシウムを多く含み、シイタケなどのビタミンDを多く含む食品は、カルシウムの吸収を助けてくれます。
魚の骨まで食べてしまえば、更なる効果が期待できます。
■海藻類:ヒジキ、わかめ、昆布、海苔など
海藻類はph数値が高いアルカリ性の食品ですから、歯にとって非常に良い食品になります。■乳製品:パルメザンチーズ、プロセスチーズ、カマンベールチーズ、無糖ヨーグルトなど
カルシウムを多く含む乳製品は歯を強くします。
■ビタミンAを含む食品:にんじん、パセリ、海苔、わかめなど
ビタミンAは歯のエナメル質を強化します。■ビタミンCを含む食品:焼きのり、パセリ、ピーマン、ケールなど
ビタミンCは歯の象牙質の形成を支えます。
2.歯に良い飲み物
■牛乳・お茶
■牛乳はカルシウムを多く含み、歯にとても良い飲み物になります。
■日本茶はその中に含まれているカテキン(ポリフェノール)、フッ素等の働きにより抗菌作用に優れ、むし歯予防作用があります。
■発酵を途中で止めるウーロン茶特有のポリフェノール(苦味成分)が歯垢の発生を抑えてくれます。
■抹茶、煎茶、玉露、番茶、ほうじ茶、ウーロン茶等3.繊維質の多い食べ物
ニンジン、ごぼう、レタス、セロリ等は繊維質が多く含まれるので【直接清掃性食品】とも呼ばれています。
噛むことにより、歯や粘膜の表面が清掃され、唾液の分泌促進やアゴの発達にもつながる食品です。
歯に良い食べ物
・歯周病や口内炎を防ぐ食べ物の紹介
栄養素から知る、健康な歯を保つ方法
おいしく楽しい食事をとるのに、歯の健康は欠かせません。虫歯や歯周病などの予防は、日々の食生活の中でもできることをご存知ですか?歯や口のトラブルにおすすめの栄養素をご紹介しますので、歯を1本でも多く保てるよう、健康的な食生活を送りましょう!
放っておくと歯がなくなってしまうかも?!「歯周病」を予防する栄養素とは
進行すると歯を蝕んでしまう歯周病は、歯の健康だけでなく、体内に歯周病菌が侵入すると動脈硬化や糖尿病、心筋梗塞などを引き起こす可能性があるといわれています。
歯周病は一度かかると治りにくいのが特徴です。
手遅れになる前に、食後の歯磨きと合わせて、歯周病菌の作用を抑える「乳酸菌」や「カテキン」を摂りましょう!〇乳酸菌を多く含むもの…チーズ、ヨーグルト、乳酸飲料 など
〇カテキンを多く含むもの…お茶 など
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いつまでも健康な歯を保ちたい!「歯がもろくなる」のを防ぐ栄養素とは
加齢とともに歯がもろくなると、噛む力が弱まり、食事が楽しくなくなってしまいます。
歯の健康にはカルシウムやマグネシウム、フッ素などのミネラルが大切です。
フッ素は歯に極微量に含まれるミネラルで、歯のエナメル質を強化するはたらきがあります。〇カルシウムを多く含むもの…牛乳・ヨーグルトなど乳製品、小松菜・ほうれん草 など
〇マグネシウムを多く含むもの…納豆・豆腐など大豆製品、わかめ・刻み昆布などの海藻類 など
〇フッ素を多く含むもの…緑茶・番茶・抹茶、煮干し、干しえび など
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歯が健康でも口の中が痛くて食事がつらい!「口内炎」にならないための栄養素とは
粘膜や皮膚を守るはたらきをもつビタミンB群が不足すると、口内炎になりやすくなります。ビタミンB群は、体内に蓄えておくことができないため、毎日の食事で補うことが大切です。
また、細菌に対する抵抗力を高めるビタミンAやビタミンCも合わせて摂るとよいでしょう。〇ビタミンB2を多く含むもの…さば・ブリなどの青魚、レバー、納豆 など
〇ビタミンB6を多く含むもの…マグロ、カツオ、さんま、バナナ など
〇ビタミンAを多く含むもの…かぼちゃ、モロヘイヤ、うなぎ、にんじん など
〇ビタミンCを多く含むもの…オレンジ、キウイ、赤ピーマン、ブロッコリー など
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健康のためには、ごはんを「よく噛んで」食べることが効果的!
食事を通じた健康な歯や口を保つ方法は、栄養素に気を付けるだけではありません。毎日の食事の中で、意識して食べ物をしっかり噛むだけで、体に良いたくさんの効果が期待できます!
<よく噛むことで得られる健康的な効果>
〇歯の病気を予防
唾液を出すことによって、口の中が清潔に保たれ、虫歯や歯周病を防ぎます。
〇ダイエット
よく噛むことで、満腹中枢を刺激して食べ過ぎ防止になります。
〇認知症の予防
噛むことで脳細胞が活発にはたらき、認知症予防に効果があるといわれています。
栄養素から知る、健康な歯を保つ方法